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【リアルタイムの実績把握で業績アップ】
 依然として景気が低迷し経営環境が厳しいなか、自社の経営データを素早く把握し、問題点を早期に発見してタイムリーに対策を講じていかないと、業績向上は望めません。
<事例:スピーディーな経営データ把握でムダをなくしたA社>
 小売業を営むA社は、これまで社長の経験とカンで経営を行っていたが、売上げも利益も低迷したままであった。そこでパソコンを導入し、全社の損益状況だけでなく商品別の状況もリアルタ イムで分かるようにした。すると、仕入れのムダや不必要な費用、意外と利益の出ていない商品などが明確になり、早速これまでのやり方を見直して改善策を講じた。その結果、特に利益は10%も改善されたという。
 さらに新聞へのチラシと実際の売上げデータとを連動させてみることによって、売上げへの効果の有無がはっきりと分かり、素早く対策を講ずることによって 、売上げも向上しつつあるという。
【売上高と資金繰りは日々把握しましょう】
 社長は日々の業績をつかんでおくべきですが、それには前提があります。
【まず経営計画を立てる】
 目標を立てそれを達成するための数字に裏付けられた経営計画がなければなりません。結果(実績)だけを把握してもそれが良いかどうか判断できないからです。
(1)日々つかんでおくべき経営データは?
  @売上高(損益分岐点売上高も含めて)
   社長はまず日々の「売上高」を把握します。計画では通常、月ごとの目標売
   上高を設定しますが、その月の稼働日数で割った1日当たりの目標売上高
   をあらかじめ出しておきます。そして日々実績と対比しチェックします。
《1日当たりの損益分岐点売上高に注意》
 最低限クリアしなければ損失となる1日当たりの売上高もあらかじめ出しておきます。そして製造業であれば、それに基づいて1日当たりの製造個数などを算出しておき、日々実績とチェックします。
  A資金繰りの状況
   月初には当月の資金繰り表等を作成し、それによって入金・支払いが予定ど
   おりか日々チェックします。特に入金遅れや入金額が少なく資金ショートしそう
   な場合は至急対策を講じます。
(2)月単位でつかんでおくべき経営データは?
 月単位では、「当月の売上高」「資金繰り状況」「当月の経費」「当月の利益」は必ず把握しておきます。そして、計画の目標数値と対比して計画どおりいってい
ないときは、その原因を分析してタイムリーな対策を講じます。
  【最低限月単位で経営データを把握する】
 企業を取り巻く状況は常に変化しています。
・経営環境は激変している
 規制緩和や業界再編、各法改正などが行われ中小企業を直撃しています。
・金融機関の姿勢は厳しくなっている
 不良債権処理の問題もあり、金融機関は貸し渋りや金利引上げなど厳しい態度
 で臨んでいます。毎月の自社の経営情報開示は必要です。
・企業自身が変化している
 企業は毎日活動しており、自社の状況も刻一刻と変化しています。

  こうした激変の時代において、迅速かつ適切な経営判断を下すには、年1回の
 決算によるデータでは間に合いません。より短い期間単位のデータ、少なくとも
 月単位で締めたデータが必要です。月次で決算を行い、当月はどうであったか
 チェックし、翌月には速やかに対策を講じましょう。

《月次決算を行うポイント》
 月次で締めて、年次決算と同じように行います。まず売上高等を固め、在庫があれば在庫も固めます。減価償却は概算で入れておきます。売掛金・買掛金は発生主義で行います。 そして多少誤差があってもあとで修正することにして、締めた日の翌日には数字が把握できるようにします。

 リアルタイムに経営データを把握したり、月次決算を行うには手計算では間に合いません。TKCの「戦略財務情報システム(FX2)」だと、日々部門別に管理ができ便利です。
<ワンポイントチェック>
 「できている」項目には○
 「できていない」項目には×をつけてみて下さい。

@経営環境が激変していることを理解し対応していますか・・・・・・・・・・・・・□
A金融機関を意識した経営を行っていますか        ・・・・・・・・・・・・・□
B企業は刻一刻と変化していることを理解していますか  ・・・・・・・・・・・・・□
C経営計画はきちんと立てていますか              ・・・・・・・・・・・・□
D日々および毎月売上高をつかんでいますか       ・・・・・・・・・・・・・□
E自社の1日当たりの損益分岐点売上高はいくらか知っていますか ・・・・□
F自社の資金繰り状況を日々および毎月把握していますか ・・・・・・・・・・□
G経費を余分にかけていないか毎月チェックしていますか  ・・・・・・・・・・・□
H目標の利益はクリアしたか毎月チェックしていますか   ・・・・・・・・・・・・□
〔採点〕
「○」の項目が
  0〜2項目:このままでは業績向上は見込めない。
  3〜6項目:今後の努力次第では業績アップも期待できる。
  7〜9項目:良好です。
  いずれにしても、「できていない」項目は必ず実行し業績アップに
  役立てましょう。


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