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売上増が見込めず、逆に売上が減少しがちな現状では、経費を一つひとつすべて見直すことも重要です。というのも売上が落ちて利益が減少しているにもかかわらず、出るもの(経費)が以前と同じであれば、経営状態が悪化し会社がおかしくなるからです。自社について見直してみましょう。 |
【チェック1:借入金を見直す】 |
短期の借入れを長期の借入れにすること、金利を下げてもらうことがポイントです。
そして、借入金に対する自社の毎月の返済額を、返済可能額の範囲内に納めるようにすることが重要です。そうしないと、借入返済のために借入をするという自転車操業に陥りかねません。
「返済可能額」としての目安としては次のとおりです。
税引き後の利益+減価償却費
これが返済原資となり、12ヶ月で割ると1ヶ月当たりの自社の返済に充てられる金額の目安がつかめます。 |
<具体的対応> |
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現在借り入れている銀行にまず交渉する |
金利の高いものから低いものへの借り換えなどは難しいようですが、交渉はすべきです。 |
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預金を担保に借入れをする |
預金を担保にすると、低い金利で借り入れできます。例えば、社長個人の普通預金や定期預金を担保にして企業が借りることもできます。 |
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政府系金融機関(例えば国民金融公庫など)や制度融資などを活用する |
信用保証協会による中小企業向けの「安定化特別保証制度」等も検討しましょう。 |
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金融機関以外から借入れ等をする |
会社に信用がなければできませんが、次のような方法があります。 |
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社長等の身内・親戚や社員等から、銀行等の金利より2〜3%の金利を払い、担保もきちんと設定して借り入れる。 |
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退職者の同意を得て、会社が支払う退職金を一括して借り上げ、例えば15年の分割で利息を付けて返済する。 |
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可能であれば増資する。 |
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私募債を発行する。・・・等 |
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【チェック2:不動産の借入条件を見直す】 |
貸事務所や貸店舗に入っている場合、家賃などの賃借料について見直すことが必要です。というのも、地価の低迷に伴い全般的に家賃相場が下がり気味だからです。 |
<具体的対応> |
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世間相場を調査する |
借りているところと同じような条件で不動産屋に聞くなり、自分で見て回るなどして情報を集めます。 |
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家主と家賃の値下げ交渉をする |
家賃が世間相場より高いのであれば、まず家主と値下げ交渉をします。というのも事務所の移転費用もバカにならないからです。 |
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保証金の全部又は一部の返済を交渉する |
例えば、保証金として1千万円を入れているのであれば、そのうち5百万円を返してもらうようにしてはどうでしょう。保証金のままであれば資金が固定してしまうからです。 |
なお小売店など立地条件が重視される事業は別として、立地条件に関係のない事業の場合、パソコンの発達やインターネット普及など情報通信がかなり発達して便利になってきていますから、郊外も検討の余地がありそうです。 |
【チェック3:人の配置を見直す】 |
正社員について給与等に見合った仕事に就かせているかどうか、またパートタイマーの就労についてきちんと管理しているかどうかチェックし、ムダのないように見直すことが必要です。 |
<具体的対応> |
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給与が高い人には付加価値の高い仕事に就かせる |
付加価値の低い仕事を給与の高い人にさせていてはダメです。給与の比較的低い人に交替させます。 |
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パートタイマーができる仕事はパートタイマーにしてもらう |
例えば作業レベルの誰でもできる仕事はパートタイマーにしてもらい、正社員には付加価値の高い仕事をしてもらうようにします。 |
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パートタイマーの就労は会社主導で管理する |
生産計画や仕事の繁閑に合わせてパートタイマーの出勤を会社主導で管理すべきです。例えば、生産計画を見て仕事量が少ない日は休んでもらうなどするのです。パートタイマーの都合にすべて任せていてはダメです。 |
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仕事を標準化する |
例えば職人がしていた仕事を標準化し、コストが安い人でもできるようにします。職人でなければならない部分もありますが、できる限り標準化するようにします。 |
以上他にも、仕入価格や材料費、外注費、あるいは在庫など見直すべき事項は多々あります。なお、なお、経費節減については、漠然と行っていても経費はなかなか減りません。問題意識を持って積極的に取り組むことが重要です。 |
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