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【帳簿づけは古くから行われていた】
 北イタリアのヴェネチアでは、1494年当時、商人たちはすでに複式簿記による帳簿づけを行っていたそうです。日本では、江戸時代の1710年当時、越後屋呉服店(現在の三越百貨店)が、各支店に帳簿を提出させ、本店でよく吟味する体制をとっていました。日本の場合、近代的な納税制度が導入されたのは明治時代以後で、現在のような所得税制度は明治20年からであって、当然、江戸時代には税法や商法などはありません。
 つまり、法律等で義務づけられたわけでもないのに、商売熱心な商人たちは債権・債務を正確に帳簿につけていたのです。
【帳簿の目的】
 帳簿をつけることによって、次のことが可能になります。
経営の意思決定に役立つ資料を作成する
自社の経営状態を正確に把握し、適切な意思決定に必要な資料を作成します。したがって帳簿づけは、義務ではなく権利ともいえます。
自社の収益力が把握できる
一定期間の営業活動でどれだけ儲かったか(損をしたか)がつかめます。
自社の財政状態がつかめる
ある時期(決算日)に、現金・預金などの資産はいくらか、借入金などの負債はどれだけあるかを把握します。
会社を法的に守る
正規の簿記の諸原則に基づいて日々記帳された会計帳簿には証拠能力があります。(刑事訴訟法第323条)。そして、それがいざというときに会社を守ります。
適正納税に備える
正しい記帳と申告は、適正な納税(一円も多く納めず、一円も少なく納めない)の前提となります。
対外的な信用を得る資料を作成する
金融機関に提示する試算表が正確に作成でき、対外的な信用につながります。
取引等の記録を残す
日々の帳簿づけの後、きちんと整理して保存しておけば、必要なときなどにもすぐ取り出せます。領収書などの証ひょう書類も同様です。
【企業を守るのは日々の誠実な帳簿づけ】
 前述のとおり、企業が日々誠実に記帳した会計帳簿には、最終的な証拠能力があります。正しい記帳に基づく月次決算によって、正確な経営データが入手でき、的確な経営判断が可能となります。さらにこれに基づいて信頼性の高い決算書を作ることは、金融機関や取引先等の信頼を高めることにもつながります。
 記帳は、業績を向上させ社会的信用を高め、会社を守るために最も重要で不可欠なものなのです。
 
企業を守るのは日々の誠実な帳簿づけです !! 帳簿づけは古くから行われていた !!
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